釿(ちょうな)は、部材の上面をはつるのに使用します。材木を角材に削り出したり、小屋梁の座取り、破風の荒削りなどの荒仕事のはか、床柱などではつり跡をそのまま装飾的に残す、なぐり仕上げにも使われます。

使用法は柄尻を両手で握り、刃を自分の方に向けて打ち下ろします。木目に沿って割りはがすように使い、仕上げの段階では薄く長くはつるのが良いとされます。釿の刃は主に両刃で、刃の側面がヒツの中心線に対してほぼ左右対称の形をしている両面のものと、一方に片寄っている片面のものとがあります。

刃幅は三寸から三寸五分位が一般的です。鉞と同様、使用する地域によって好まれる形が微妙に異なります。柄には主にエンジュの木を使用します。立木のうちに藤づるで縛って曲げ物に仕立て、頃合をみて長めに切り、乾燥させます。柄は、構から見て刃が柄よりやや内側に入る(こごむ)ようにすげます。これは、打ち下ろした時にはつり面と切刃の面が平行になるようにするためで、使用者の背の高さや柄の山の高さによって、ヒツへのすげ方を調節します。


▲ (左写真)釿の使用法 (右図)釿刃の側面


▲ 釿 左から片面型、両面型

 

 
  • ※ 本ページの内容は『竹中大工道具館収蔵品目録第6号-槌・斧・釿・その他の道具篇-』の解説を抜粋したものです。
  • ※ 品名は、主に関西で用いられている道具名称を参考にして当館で用いられている統一名称によっています。地域や研究者によって道具の名称はことなることがあります。

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