4飯食(はんぐい)
昔は、鍛冶の町・三木では男の半数近くは刃物・道具に関わった仕事につく運命にあったとのことである。小学校を出ると、まず鍛冶屋の店に見習奉公に行かされた。まだ幼い子供である。力仕事は先のこと、もっぱら掃除、子守りや雑用に明け暮れた。それでも、誰も教えてくれなくても、知らず知らずのうちに仕事の手順はわかってくる。
17才頃になって、ようやく体ができてくると20才の兵隊検査までが仕事場で技術を覚えていく時代である。見よう見まねで一つ一つ基本を体で覚えていく。無事兵役を終えて親方のもとに戻って、お礼奉公を1年位勤める。
それからがいよいよ一本立ちの道を求めての修業となる。一人旅・各地の鍛冶屋の有名な親方のもとに身を寄せて学ぶ。これを飯食(はんぐい)と言ったそうだ。やがて炉脇のふいごの座に坐る親方になることを夢みて。